日別アーカイブ: 2013年8月22日

グロソブ(グローバル・ソリブン・オープン)について

こんにちは! 生地通販の生地屋店長です。

かつては5兆円以上も集めていた(=資産)、おばけファンド(=投資信託)の グローバル・ソリブン・オープン(毎月決算型)(通称グロソブ)です。

グローバル・ソリブン・オープン(グロソブ)

グローバル・ソリブン・オープン(グロソブ)

ですが、主に下記のような理由で どんどん解約され、今では約1兆4千億円まで 資産が大きく減っています。(それでも 2番目の投資信託の約倍近い資産規模です)

  • 毎月決算は毎月税金を差し引かれるので 長期の複利運用には不利
  • 債券型なのに 運用報酬が約1.3125%と高め
  • 先進国の金利下落と円高で 運用成績が悪化した

販売手数料は 有人窓口で買うと1.575%(ネットだと 手数料なし(ノーロード)のところも多いです)と そんなに高くないのですが(3.15%と言う べらぼうなものも結構あります)、運用報酬から 決められた割合の額が 毎年毎年販売会社にも支払われ続けるのです。

(下記目論見書(説明書)P13の真ん中あたりに、100億円以下の場合は 販売会社に0.3765%のマージンが毎年支払われるようになってます。8,000億円以上売ると0.9975%も(運用報酬1.3125%の実に76%も)毎年支払われます。
グローバル・ソリブン・オープン(毎月決算型)の投資目論見書 )

だから 販売会社が窓口や営業で 一生懸命に奨めたので、爆発的に売れたのですね! 株式型投資信託よりも 比較的安全な債券型投資信託ですし、先進国の格付けの高い比較的安全な債券にしか 投資しないと言うのも、購入者のニーズにマッチしたのでしょう。

当初は 元本は保証されていて、それとは別に毎月一定額の 配当があると勘違いして 購入された方もおられたようです(退職金など まとまった金額で一括で 買われた方も多かったようです)。ですが、運用成績がふるわなければ 元本を取り崩して配当してます。このブログを書いている前の期でも 配当35円の半分(18円)くらいは 元本を取り崩して配当しているようです。だから 基準価格もその分だけ どんどん下落し続けてます。

(下記運用報告書のP11の下に 当期の収益17円と 元本取り崩し(今までの儲けも含む)で18円、計35円配当するとかかれてます。
グローバル・ソリブン・オープン(毎月決算型)の運用報告書 )

資産規模が大きくなって、運用コストが下がったら 運用報酬も下げる米国のバンガード等と違って、運用報酬を下げる意志もなかったようです。2008年に 当時の山内一三 取締役副社長が下記のように言ってました。

”これだけ売れて儲かっているのだから、信託報酬(注:運用報酬に同じ)は下がらないのかと 聞いたら、

「今すぐにどうするといった検討はしていない。現在、保有者は150万人ぐらい。年間4000回ぐらいセミナーをやっているが、それでも動員できるお客さんは年間4万~5万人程度にすぎず、もっと情報提供に労力とコストを注ぐ必要がある。投信は売りっぱなしの商品ではなく、アフターサービスも大事だ。」

しかし、同社に入る信託報酬は年間で数百億円にものぼるはずです。アフターサービスに何十億円、何百億円もかかるものでしょうか?できればぜひその辺をさらに突っ込んで聞いてみてほしかった。”

このあたりも、解約が多くなる理由の1つかと 思います。保有している人の利益の事を あまり考えていないような。

(大変残念ながら、バンガードの投資信託は日本では直接買えません。間接になら買えます、私も積み立てで買ってます。ただ 低いとは言え運用報酬等は2重にかかっています。バンガードのETF(上場投資信託)なら 海外ETF(外国ETF)になりますが買えます。まだ国内では 上場されてませんが、バンガードはこれからは ETFに力を入れていくと言ってるので、国内で上場される日も近いかも知れません)

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